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前橋地方裁判所 平成9年(わ)68号 判決 1997年5月30日

本店の所在地

群馬県太田市新井町五四九番地一五

法人の名称

株式会社アンノントレーディング

代表者の住居

同県館林市富士原町一〇五七番地の五七六(登記簿上は同市大谷町八九四番地の一)

代表者の氏名

岸迪昌

本籍

群馬県新田郡新田町大字上田中一二六一番地一

住居

同県館林市富士原町一〇五七番地の五七六

職業

会社役員

被告人

岸迪昌

昭和二一年八月三一日生

主文

被告人株式会社アンノントレーディングを罰金三五〇〇万円に、被告人岸迪昌を懲役一年六月に処する。

被告人岸迪昌に対し、この裁判確定の日から四年間、刑の執行を猶予する。

理由

(犯罪事実)

被告人株式会社アンノントレーディングは、群馬県太田市新井町五四九番地一五に本店を置き、電話による事務連絡の取次サービス業務等を営業目的とする株式会社であり、被告人岸迪昌は、同社の代表取締役としてその業務全般を統括していたものであるが、被告人岸は、同社の業務に関し法人税を免れようと企て、売り上げの一部を除外するなどの不正な方法により所得を秘匿した上、

第一  平成五年四月一日から平成六年三月三一日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が九五三一万八九二二円であったのにかかわらず、同年五月三〇日、同県館林市仲町一一番一二号所在の所轄館林税務署において、同税務署長に対し、欠損金額が二五三九万五〇八八円であり、納付すべき法人税額はない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、右の不正行為により被告人会社の右事業年度における正規の法人税額三四九八万一八〇〇円を免れ、

第二  平成六年四月一日から平成七年三月三一日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が二億〇七六九万六一五九円であったのにかかわらず、同年五月三〇日、前記館林税務署において、同税務署長に対し、欠損金額が一八五三万一六七八円であり、納付すべき法人税額はない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、右の不正行為により被告人会社の右事業年度における正規の法人税額七七一二万三二〇〇円を免れた。

(証拠)(括弧内の甲乙の番号は検察官請求の証拠番号を示す。)

全部の事実について

1  被告人の公判供述、検察官調書三通(乙二ないし四)、上申書

2  権田三枝子、石川清子、稲葉直美、中里政幸、大木政志、多田弘(三通)、菅家利一、千野英司、潮正雄、新井久代、斉藤さと江、山根洋子、佐藤広行、岸清美、渋谷禎雄、岡田通明(三通)、長田勝彦(二通)、千葉智広、上田忠臣(二通)、杉戸丈介、籾山章一、野口祐司、青木貞夫、渡辺実の各大蔵事務官調書

3  売上高調査書、ツーショット自動販売機売上調査書、給料手当調査書、福利厚生費調査書、接待交際費調査書、交際費等の損金不算入額調査書、通信費調査書、消耗品費調査書、減価償却費調査書、水道光熱費調査書、賃借料調査書、雑費調査書、受取利息調査書、損金の額に算入した道府県民税利子割調査書、支払利息割引料調査書、固定資産除却損調査書、事業税認定損調査書、申告欠損金額調査書、青色欠損金控除額調査書

4  捜査照会回答書二通

5  査察官報告書

第一の事実について

1  多田弘作成の答申書

2  査察更正決議書(甲五四)

第二の事実について

1  査察更正決議書(甲五五)

(適用法令)

罰条 各事業年度ごとに法人税法一五九条(被告人会社につき更に同法一六四条一項)

刑種の選択 (被告人岸について)

懲役刑を選択

併合罪加重 刑法四五条前段、被告人岸につき同法四七条本文、一〇条(犯情の重い第二の罪の刑に法定の加重)、

被告人会社につき同法四八条二項

刑の執行猶予 (被告人岸について)

刑法二五条一項

(検察官小川信二、同加藤雄三、私選弁護人松本淳各出席)

(裁判官 奥林潔)

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